最高裁判所第一小法廷 昭和31年(あ)3746号 判決 1957年4月25日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人小沢茂の上告趣意について。
量刑にあたり、犯罪が前刑の執行猶予期間内に犯されたものであることを、犯罪の情状として考慮することは何ら違法ではない。また、犯情による科刑の差異が、憲法一四条違反でないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)四三五号、同年一〇月六日大法廷判決、集二巻一一号一二七五頁)。それ故、違憲の主張は採るを得ない。その余は単なる訴訟法違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫)